Rainy-Day Fund(Jar)の使い方
レイニーデイ(雨降りの日)。雨が降っている中で、壊れた屋根を修理するのは大変!晴れているときに、万全の状態にしておこう!ということを入門編でお話ししました。
「でも、緊急事態があまり無い子どもに理解させるのは難しい!」
というお声を、入門編を受講して数カ月後にいただくことは珍しくありません。
そこで、Rainy-Day Jarについて、具体例と共に、もう少しご説明します。

Rainy-day Fund (Rainy-day Jar)
予備(備え、安心、挑戦/チャレンジ/自己投資)のお金
備えのお金があると『余裕』が生まれる
海外に留学してみたい、日本国内の歴史跡巡りをしてみたい、ビジネスを始めたい(初期費用が必要なレモネードスタンドのような子どもができる小さなビジネスを含む)、試験勉強のための教材を用意したい、〇〇ができるようになりたい…
多くの人は生涯を通して、自分のスキルアップを目指すと思います。今ならAI活用スキルだったり、英語だったり、動画作成スキルだったり。料理の腕を上げたい、アートや手芸・園芸などの創作スキルを上げたい、色々あると思いますが、何か新しいことを始めたい、何かを学びたいと思うときに必要となるのが『時間』。時は金なり。そして時間と同時に必ず必要になるのが『初期費用』です。
『備え』のお金がないと、モチベーションが最も高いときにパッと行動に移せません。
すぐに行動に移したいとき、Rainy-day Jarのお金が大活躍します。初期費用、自己投資金、呼び方は何でも良いのですが、将来の自分のために有効に使えるお金があるという『余裕』って本当に大事なんです。
Rainy-day Jarカテゴリーがないとどうなるか…
可能性としては、
貯まるまで待つ→モチベーションが下がる可能性
実際に始めるまでに時間がかかる→機会コスト(Opportunity Cost) が高くつく
長期貯蓄(運用)から一部資金を使う→複利効果を利用した資産形成の型が崩れる
生活費から使う→生活の質が下がる or 借金を抱えてしまう
個人的な話になりますが、私は、このRainy-day Jarのカテゴリーがなかったがために、何かスキルアップしたいとき、挑戦したいときに自分の長期的投資を切り崩さないといけないということが起こり、非常に後悔した経験があります。
以前、富裕層の資産管理の仕事をしていたときに気がついたんです。長期的な貯蓄(資産運用商品)から資金を一切引き出さずに、生活費から使うこともなく、パッと、自分の学びにお金をかけたり、不動産を買ったり、株を買ったりと余裕のある人には、必ずRainy-day Fundがあることに。
大人のRainy-day Fundは2種類に分かれていることが理想です。
1つは、自己投資のための初期費用として。2つ目は本当の緊急資金用 (生活費の3〜6ヶ月分)。
子どもは緊急事態になることがあまりなく、2つ目の「緊急資金」というのは理解し難いと思いますが、1つ目のアイディアを行動に移せるための「備えのお金」というのは理解しやすいかもしれませんね。
独り立ちして自分でお金を管理し生きていく ーその前に、Rainy-day Jar(Fund) の大切さを実感できる体験が何か一つあると良いかなと思います。
4つのカテゴリーに分けて管理する理由は、それらの存在を知っている、ということが、後になって必ず役に立つからです。年齢によりますが、子どものうちは4つのカテゴリーがうまく機能しないかもしれません。それでも大丈夫です。「知っている」「やったことがある」ということが大切で、気がついたら知らない間に「これが当たり前になっていた」となったらもう最高。
そのようなものだと思っていただけたら、と思います。